核共鳴散乱ユーザーグループ

    ●ユーザーグループ設立の目的
     放射光源を用いたメスバウアー分光法では実験不可能であった環境下での研究も、放射光の特徴である高輝度・高指向性を利用することで可能となるなど、放射光核共鳴散乱は多くの可能性を秘めた測定手法である。特に、集光光学系を利用した超高圧下での測定は、物性物理学および地球科学等の分野で非常に強力な研究手法の一つとなることが予想される。また、PF-ARは国内外の放射光施設において唯一シングル・バンチモードでの運転が行われている。今後PF-ARでの核共鳴散乱研究が超高圧力下での測定に重点を置くこともあり、そのような研究分野のさらなる可能性を探求し、発展させていこうという趣旨から、本グループ設立した。

    ●主要ビームライン
    NE1, NW2A

    ●今までの活動実績と今後の予定
     超高圧下での核共鳴前方散乱測定を重点的に進めるにあたって、測定技術についての開発および情報共有を今後も進めていく必要がある。また、前方散乱測定データ解析ソフトウェアの充実等も行う。モノクロメータや集光などの光学系、インターロック系、核共鳴散乱検出用APD(アバランシェ・フォト・ダイオード)検出器等の周辺装置の整備について検討する。同じビームラインを使用する地球科学分野とも積極的に交流を行う。多重極限下57Fe核共鳴前方散乱を用い研究し、新規鉄系超伝導体の超伝導発生機構に迫る。 核共鳴散乱の応用研究および実験手法開発研究を行う。

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