放射線生物ユーザーグループ

    ●ユーザーグループ設立の目的
    放射線生物グループでは、放射光軟X線を利用し、突然変死や発がんなど放射線が生体に与える作用のメカニズムの解明を目指した研究を推進しています。医療や宇宙など、私たちを取り巻く放射線環境の増加に加え、福島の原発事故に伴う低線量放射線被ばくのリスクを明らかにすることは、国民的重要課題です。DNAの放射線損傷の物理化学的初期過程とその生体修復に加え、細胞周期遅延や遺伝的不安定性など、細胞レベルで解明が待たれている数多くのテーマがあります。また組織レベルでは、照射細胞と非照射細胞間のコミュニケーションによるバイスタンダー効果など、新しい研究課題にも取り組んでいます。DNAや生体分子を構成する特定元素の内殻イオン化や、マイクロビームによる細胞局部照射など、放射光で初めて可能になる技術の開発とその利用実験を推進することで、世界をリードして行きます。

    ●主要ビームライン
    27A, 27B

    ●今までの活動実績と今後の予定
    これまで物構研サイエンスフェスタを利用し、ユーザーズグループミーティングを同時開催し、ビームタイムで得られた成果の発表や、ビームライン高度化に向けた議論を積み重ねて来ました。また、放射光学会等でも、インフォーマルな意見交換会を行っています。
    今後は、
    1. より多くのユーザーの実験に対応できるよう、X線マイクロビーム照射装置に付属する顕微タイムラプス観測装置や制御システムの高度化を検討、
    2. タンパク質の結晶構造解析や円偏光二色性による2次構造解析など、周辺の研究領域とも積極的に情報交流するためのワークショップ開催(年1〜2回)、
    3. PFの次期計画を睨み、解析限界光源の特徴を最大限に生かした次世代の放射線生物研究課題の提案と、新ビームライン・ステーションの検討、
    の3つのテーマに取り組んでいきます。

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