会長挨拶

「フォトンファクトリー同窓会」会長に就任して

 このたび創設された「フォトンファクトリー同窓会」の会長を仰せつかり、一言ご挨拶させていただきます。思い起こせば、1979年に我が国で最初の国家規模での放射光実験施設「フォトンファクトリー」が設立され,1982年に運転を開始してから長い年月が経ちました。その間、いろいろな変遷をたどりましたが、フォトンファクトリーが日本の放射光科学を推進する上で果たした役割は大きく、創出された研究成果はもちろんですが、その後、SPring-8を始め、国内の放射光源を有する研究施設に、更には、放射光を利用する大学や研究機関に多くの優れた人材を送り出してきました。
 この40年を超える期間に、フォトンファクトリーにスタッフとして、あるいは、準スタッフとして装置の立ち上げに、また、利用開発研究に参加された方々は沢山います。そこで関係者が集まって同窓会を立ち上げてはという機運が芽生えてきました。そして、2019年7月20日に開催された「フォトンファクトリー新体制発足記念講演会〜PF REBORN 2019〜」で、雨宮慶幸JASRI理事長を中心にした世話人会で同窓会を立ち上げることが提案され、その後、コロナ禍で進捗が遅れましたが、2021年8月28日の世話人会議(代表世話人:雨宮慶幸)が開催され、世話人会の最年長ということで私が初代会長に選出されたという次第です。私自身の在籍期間は7年あまりで短いですが、自分の研究人生の礎となったフォトンファクトリーには深い思い入れがあります。この同窓会の発足によって、旧交を温めることはもちろんですが、現役のスタッフも交えて、フォトンファクトリーに関連するシンポジウムを開催し、引き続いて懇親会も併せて行うことで、自由闊達に今後のフォトンファクトリーの将来を語る場ができればと思っています。実際、世話人会議と同日午後に、第1回のシンポジウム「フォトンファクトリーの礎を築いた先生方を記念する講演会」を開催致しました。オンラインではありましたが、100名以上の参加者があったと聞いています。
 この「フォトンファクトリー同窓会」は発足したばかりですが、これまでスタッフとして籍を置かれた人はもちろん、フォトンファクトリーに深く関与された人たちにも参加していただき、できれば年1回、現役のスタッフの協力のもと、関連するシンポジウムと懇親会(前回はコロナ禍で実施できませんでしたが)を開催できるようにしたいと思います。どうぞよろしくご協力をお願いいたします。

フォトンファクトリー同窓会会長 太田俊明